
2024年10月11日
パーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田 孝雄 以下:パーソル)が開発した「はたらくWell-being指標」において、Age-Well Designerのスコアが非常に高いという結果が示されました。この調査結果を受けて、はたらくWell-being推進室室長の中山友希氏とAgeWellJapanの人材育成を担当する辰巳裕亮が「はたらく幸福度が高い理由」や「今後の企業へのヒント」について語り合いました。
中山:今回の調査で、Age-Well Designerのスコアは非常に高く、他社と比べても突出していました。「仕事に喜びや楽しみを感じる」「自分の仕事が誰かの役に立っている」「仕事やはたらき方を多くの選択肢から選べる」という三つの質問すべてで、非常にポジティブな回答が得られました。日本全体の傾向としては、「毎日の仕事に喜びや楽しみを感じていますか」のスコアが最も低い一方で、「自分の仕事が誰かの役に立っている」という項目では世界と比べても高いスコアが出ています。
辰巳:ありがとうございます。高いスコアはある程度予想していましたが、実際に数字を見ると改めて嬉しく思います。私たちは「あなたには価値がある」という存在承認を大切にし、Age-Well Designer自身がまずAge-Wellであることを目指しています。Age-Wellとは「挑戦と発見を通じてポジティブに歳を重ねること」です。挑戦の機会を積極的に設け、失敗を歓迎する風土づくりに力を入れています。とにかく打席に立たせ、やり直せると思える安心感や、チャレンジしたこと自体を称える姿勢が、日々のやりがいや楽しさにつながっていると感じます。
中山:「ここにいていいんだ」と思える組織作りはすごく大切ですし、多くの企業が見落としがちなポイントだと感じます。多くの企業では採用時に「何をしてほしいか(do)」を伝えることが多いのですが、「存在そのものの価値(be)」に焦点を当てている点が素敵だと思います。パーソルでは、はたらく皆さんがWell-beingを実感できるようにしていきたいです。例えば、ちょっと思い悩んでいる会社員がいた場合、AgeWellJapanではどのように支援していますか。
辰巳:自分のロールモデルになるような、楽しみながらはたらいている人に出会う機会をつくります。例えば、大人が本当に楽しそうに営業している姿を見ると、学生も「面白そうだ」と感じて挑戦しやすくなります。もちろん営業がうまくいかないこともありますが、大切なのは「仕事が楽しい」「ここで何を得ているか」を伝えることです。弊社では、Age-Well Designer自身がメンターとなって、他のメンバーをサポートする仕組みを整えています。想いを持ってキラキラした先輩がいると「自分もそうなりたい」と思えたり、自分の課題や成長ポイントに気づけたりします。こうした場づくりをとても大切にしています。
中山:とても共感します。少し前に小学生向けのはたらくことを考えるイベントがあったのですが、子どもたちが「はたらきたくない、お父さんお母さんが大変そうだから」と話していました。家庭で「疲れた」「部長が大変だ」といった話を聞くと、「はたらくのは楽しいわけがない」とイメージしてしまうのだと思います。そんな状況だと「日々の仕事は楽しいですか」と聞いても「何を聞いてるんだ」という反応が出てしまいますよね。
辰巳:私はまるで子育てをしているような気持ちで、Age-Well Designerに対して、仕事を楽しむ姿を見せるように心がけています。そんな私の姿を見て育ったAge-Well Designerからは「最近明るくなったね」「話し方が変わったね」と、家族に言われるようになったという嬉しい報告も届いています。みんながポジティブにはたらくことで、それが起点となって顧客に価値を届けられ、その先にいる人たちもAge-Wellになれると思います。
中山:Age-Well Designerの仕事を拝見していると、「挑戦と発見を通じて、ポジティブに歳を重ねる社会の創造」というミッションと、日々の活動がしっかりと結びついていること、そしてシニアや会社との関係性の質がとても高いことが印象的です。日々の仕事には喜びや楽しみがあふれていて、シニアの方と対話しながら一緒に選択肢を探していく過程で、「はたらき方を自由に選べている」という実感を得やすいのだと感じました。役に立っているという実感も高いので、今回の調査結果に反映されているのだと思います。
辰巳:ありがとうございます。研修は体系化していて、シニアと接する機会が多い企業向けにも「Age-Well Designer研修」を行っています。今後は研修の機会をさらに増やし、世の中にAge-Well Designerを広げていきたいです。例えば、買い物だけが人との接点というシニアの方でも、「今日も元気そうですね」と声をかけられたら嬉しいですよね。ポジティブな気づきから、挑戦と発見のサイクルを回していくと、顧客に還元できるようになっていくので、研修を活用しながら社内で分かち合う関係を作ってもらいたいです。
中山:素晴らしいですね。今回の調査でも年代別に3つの質問を見ていますが、グラフにしているのは60代までなので、どうしても現役世代中心のデータになってしまっています。Age-Well Designerが増えると、サービスを通じて変わるシニアの方も増えるでしょうし、70代や80代のロールモデルがたくさん生まれると、自分も歳を重ねるのが楽しみになりますよね。Age-Well Designerが習得しているのは汎用的なスキルだと思いますが、再現性の観点から、Age-Well DesignerのようにはたらくWell-beingを実現するために大切なことは何だと考えますか。
辰巳:他社でも幸福度の高い職場は必ず再現できると思います。これまで多くの企業で研修を行ってきましたが、雰囲気の良い会社には共通点があります。それは、経営層が組織の価値をしっかりと言語化し、育成担当者がそれを理解して共通認識を持ちながら進めていることです。私たちもデザイナーの拠り所となるクレド(行動指針)を、何度も対話しながら再確認し、方向性を共有しています。言葉を磨き上げていくとメッセージが揺らがず、自分の言葉で語り始めるようになります。だからこそ、経営層が自分の言葉でまず書き出して伝えることがとても大切だと思っています。
中山:なるほど。経営層が自分たちの理念やスタンスを言語化し、それを全員で共有しているんですね。出発点や向き合うお客様はそれぞれ異なりますが、両社が使う言葉にはと大きな共通点があります。また、AgeWellJapanの取り組みを見ていると、私たちと同じ方向を目指していると感じます。パーソルでは主に現役世代向けたサービスを提供していますが、誰もがいずれ次のステージに進むときが来ます。しかし、その未来を想像できる人はまだまだ少ないと思います。私自身もまだイメージが追いついていないのですが、AgeWellJapanが多くのロールモデルを送り出していることには大きな意味がありますよね。きらびやかな成功例ではなく、普通の方が楽しそうに過ごす姿が見えるからこそ「あの人みたいになりたい」と思えます。AgeWellJapanにはこれからも多くのロールモデルを輩出していただきたいですし、私たちも一緒にそんな社会をつくっていきたいです。
辰巳:ありがとうございます。私も、Age-Wellなはたらき方とWell-beingなはたらき方は、非常に近いと思っています。これが実現できると、今の日本社会で「はたらく=生き方」という感覚がより強くなるのではないでしょうか。はたらくなかで、自分のはたらく意味や意義を考え、やりがいを感じられるようになると、初めて「自分の人生」を振り返れるようになると思います。そんな社会を一緒に作っていきましょう。
今回の対談を通じて、『存在承認』『行動指標』『対話と再解釈』『共感とつながり』など、豊かにはたらきながら生きるためのキーワードが見えてきました。今後も一人ひとりがいきいきとはたらき、ポジティブに歳を重ねられる社会の実現を目指して、パーソルとAgeWellJapanは共に挑戦を続けていきます。
関連リリースはこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000068494.html