2024年8月30日
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お知らせ
【シニアアンケート調査_vol.1】シニア世代の食意識アンケートで約60%が「フレイル」理解不足。「加齢による自身の変化」を客観視することはAge-Wellの第一歩。
AgeWellJapan Labを運営する株式会社AgeWellJapanとダイエットやボディメイクを食でサポートする株式会社Muscle Deliが共同で、日本在住の50代以上の男女を対象に、食生活についての意識・動向調査アンケートを実施いたしました。
アンケートから見えてきた「フレイル」への理解の低さと、加齢による自身の変化を客観視し行動を変えることの重要性についてまとめました。
1.Age-Wellとは
“Age-Well”は、「ポジティブに歳を重ねる行動」を指します。
重要な要素として
①歳を重ねることによる自己の変化をポジティブに捉える
②社会との能動的な関わりを築いていく
があります。
高齢社会において良く使われる“Well-Being”は「肉体的・精神的・社会的すべてにおいて満たされた『状態』」を指しますが“Age-Well”は、人生をワクワクして生きるための「行動」を指すため、仮に肉体的に不自由があったとしても可能です。
AgeWellJapan Lab は、Age-Wellを実現する事業や社会システムの創造につながる研究ネットワークを目指しています。
2.フレイルチェックとは
「歳を重ねることによる自己の変化をポジティブに捉える」ためには、まず自己の変化を客観的に知る必要があります。その方法はいくつかありますが、中でも「フレイルチェック(※)」は、2014年に日本老年医学会が提唱して以来、病院や自治体を中心に取り入れる機関が多く、全国新聞でも連日特集ページが掲載されるなど、全国的に広がっています。
フレイルとは、「健康な状態と要介護状態の中間の段階」を指します。
年齢を重ねていくと、心身や社会性などの面でダメージを受けたときに回復できる力が低下し、これによって健康に過ごせていた状態から支援を受けなければならない状態へと段階的に変化していきます。多くの高齢者は、この「フレイル」という段階を経て要介護状態へ進むと考えられています。
そのため元気な高齢期を過ごすためには、まずフレイルを予防することが重要です。フレイル予防の重要な要素としては、「栄養」「身体活動」「社会参加」の3点が挙げられており、「栄養」においては特にタンパク質を十分に摂るよう厚生労働省も呼びかけを行なっています。
3.調査結果
今回は、50才以上の男女106名に、フレイルや健康状態に関する意識と行動について調査をしました。
〇調査概要
調査概要:食生活についての意識・動向調査アンケート
調査方法:インターネットおよび対面でのアンケート調査
調査期間:2022年12月15日〜2023年1月20日
有効回答:50才以上の男女106名
Q1.Q2.「フレイル」を正しく知っている人は40.6%、言葉の意味を理解している人ほどタンパク質を摂取している傾向に。
Q1.「フレイルという言葉や内容を知っていますか?」という問いに対し、「言葉も内容も知らない」と答えた人が40.6%で最も多く、次いで「言葉も内容も知っている」と答えた人は39.6%、「言葉だけ知っている」は19.8%となりました。
-言葉も内容も知らない:40.6%
-言葉も内容も知っている:39.6%
-言葉だけ知っている:19.6%
さらに、Q2.「食事からタンパク質を意識的に摂っていますか?」という問いに対しては、「フレイルという言葉も内容も知っている」と回答した92.9%が「はい」と答えた一方で、「フレイルという言葉も内容も知らない」と回答した人は「いいえ」が27.9%と、言葉の意味を正しく理解していない人ほど食事にタンパク質を摂りいれていないことが分かりました。
Q3.一人暮らしの割合は38.7%、配偶者と二人世帯が30.2%。
同アンケートでは、シニア世代の生活の実態についても調査しました。
106件の回答のうち、「一人暮らし」と回答した人が38.7%と最も多く、続いて「配偶者と二人世帯」が30.2%となりました。
-一人暮らし:38.7%
-子供や孫と同居:22.6%
-親と同居:4.7%
-配偶者と二人世帯:30.2%
-その他:3.8%
Q4. 22.6%は全く料理をしない
続いて、Q4.「ご自身で調理する頻度を教えてください」という問いに対しては、「週6回以上」が50.9%と最も多くなりました。
一方、「調理しない」も22.6%となりました。
-調理しない:22.6%
-週6回以上:50.9%
-週4〜5回:10.4%
-週2〜3回:11.3%
-週1回:4.7%
食事の悩みを自由記入で答えてもらったところ、「自分で作るのはあまり好きではない、歯が悪いので固いものは食べられない(80代女性・一人暮らし)」、「一人分を作るのが億劫(50代女性・親と同居)」、「仕事の帰りが遅く料理にかける時間が取れない(50代女性・子供や孫と同居)」といった意見がありました。
Q5.身近に生活のサポートをしてくれる人がいない人は40.6%以上
Q5.「身近に食事や栄養について教えてくれるorサポートしてくれる人はいらっしゃいますか?」という問いに対して40.6%が「いない」という回答となりました。
-いない:40.6%
-配偶者:20.8%
-ご友人:14.2%
-息子、娘またはその配偶者:12.3%
-孫など、その他の家族・親族:6.6%
-ジムのトレーナー:5.7%
-ご近所の人:4.7%
-介護などの専門サービスの人:2.8%
-その他:2.8%
AgeWellJapanではフレイル予防に向けたイベントやワークショップも行っています。
調査まとめ
今回のアンケート調査では、7割が「同年代の同性と比較して健康に気をつけた食事を心がけていますか?」に「はい」と回答しており、調査対象者の健康意識が高いことが伺えました。しかしこの世代からの予防・対策が重要である「フレイル」という言葉の意味を正しく理解している人は、40.6%に留まりました。
ケース探索
さらにアンケート調査結果に基づき、「もっとメイト(※)」のメンバーで、フレイルチェックによって栄養・身体活動・社会参加への意識・行動が変化したケースを探索しました。
※もっとメイトとは
シニア世代のウェルビーイングを実現する「孫世代の相棒サービス」。20〜30代の孫世代にあたるスタッフ(パートナー)が、シニア世代に寄り添い好奇心を引き出し、スマートフォンやパソコンの個別レクチャーや、散歩やお出かけ、趣味のお供などをご一緒する。
一例として、広尾在住の68歳の男性は、独居で住まれており料理も苦手なことから、食事をコンビニで済ませてしまうことが多くありました。しかしフレイルチェックを機に、栄養バランスの高い食事をすることの重要性を再認識し、生鮮食品の宅配サービスに加入。さらに「もっとメイト」のパートナーと一緒に、日常から料理を楽しむようになりました。
また、恵比寿在住の87歳の女性は、コロナにより外出頻度が減ったことで、足腰への不安を抱えていました。しかし、フレイルチェックを機に、一日の運動量が少ないことを再認識。それ以降、外出を増やすようになり、一日4500歩以上を歩くことを意識するようになりました。さらに、「もっとメイト」パートナーのすすめで、スマートフォンに健康管理アプリをダウンロードし、一日の歩数を可視化することでモチベーションをアップさせ習慣化を図るようになりました。
3.フレイルチェックとAge-Well
アンケート調査からは、フレイルの認知度や理解度は充分とは言えない状態であることが分かりました。一方で「もっとメイト」では、フレイルチェックによって自身の健康状態や生活状況を客観視することが、意識だけでなく生活行動を変えるきっかけになったケースが見られました。
自身の現状を正しく認識することはAge-Wellな人生の第一歩ですが、以上の調査から、そのためにフレイルチェックは有効だと考えられます。「栄養」だけでなく、フレイル予防に含まれる「身体活動」や「社会参加」に包括的な意識を持つことによって、行動を促していく余地はまだ大きいと言えるでしょう。
調査後記
連日、ニュース番組や新聞で「フレイル」という言葉を目にしていましたが、アンケート調査からは認知度・理解度が低いことが分かり意外でした。一方で、日頃私がお会いするシニア世代の方の多くは、加齢による自身の変化を客観的に捉え、ポジティブに変換し、前向きな行動に移されています。そのような方々が「フレイル」を知ることによって、一層効果的なポジティブ行動(=Age-Well行動)が増えることも確信できました。
AgeWellJalan labとしては、シニアの意識と行動現状を把握すると共に、Age-Wellな生活を送るお一人お一人にスポットを当て、その行動の背景にある価値観や考え方を学んでいきたいと思っています。
(調査担当:赤木円香)