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2025年6月2日 Age-Well Design Lab

【シニア傾聴インタビュー_vol.15】まだ見ぬ自分との出会いを信じて

Age-Well Design Labでは、挑戦と発見を通じてポジティブに歳を重ねる”Age-Well”を体現されている方へのインタビューをお届け。Age-Wellな生き方を発信していきます。

 今回は、孫世代の相棒サービス「もっとメイト」を利用されている池田永子(いけだ・えいこ)さんにインタビュー。永子さんは、本記事のインタビュアー・秋山が担当しているメイトさん(会員様)です。

出会った当初から、愛犬の姿を毎週欠かさずYouTubeに投稿し続けていた永子さん。その姿は、ストイックさと愛情深さに満ちており、これまでも人生のさまざまな場面で全力を尽くしてこられたことが伝わってきます。また、普段から若い世代に対して本質を突いた言葉で励ましや気づきを与えてくれる、深い洞察力を持った方です。今回は、そんな永子さんに「Age-Well」な秘訣を教えていただきました。

色んな世界を知るほど、人生は面白くなる

インタビュアー:秋山)永子さん、本日はよろしくお願いします!永子さんと言えば、YouTubeで愛犬の動画投稿に力を入れていますよね。以前はゴルフ、その前は油絵と、一つのことにとことん打ち込んできたそうですが、その情熱はどこから来るのでしょうか?

永子さん)私にとってそれらは、どれも「自分を表現する場」なんです。心の中にある思いや考えを絵だったり、ゴルフだったり、Youtubeを通じてカタチにしてきたんですね。ある意味、私にとっては表現の手段がたくさんある感じ。それが常に成長し続けたいという情熱につながっているのかなと思います。

秋山)目標のためというより、それが自然と湧いてくる性格であり、好きだからこそ全力で取り組めるんですね。

永子さん)そうですね。絵やゴルフ、YouTubeは、それぞれ形は違えど成果が目に見えるじゃないですか。でもその成果以上に、「そこに私の思いが乗っているか」が大事なんです。YouTubeの動画も、ただ愛犬の可愛い様子を投稿するのではなく、音楽や雰囲気までこだわって癒しを届けたいと思っていて。作品に自分らしさが滲んでいたら、それが一番嬉しいです。もちろん、誰かに「いいね」って認めてもらえたら贅沢なことだけど、それはおまけ。ただ私は、心をフル稼働させて没頭できるものが好きなんです。そうすることで気持ちを安定させ、常に好きなことに情熱を注いでいられるんですよね。

秋山)油絵からゴルフへ、そして今はYouTubeに打ち込んでいられるということでしたが、それぞれ始めたきっかけは何だったのでしょうか?

永子さん)絵は、小さい頃から描いていました。なぜなら家族に美術科の先生がいて、家の中には絵具や石膏などが溢れていたからです。自然と興味が芽生えて、褒められたり賞をもらったりすれば、一層のめり込んでいくようになりました。30代までは、時間さえあればずっと家で絵を描いていましたね。

でもその頃、周りでゴルフが流行っていて。私は身長も低いし、運動神経もないから無理だと思っていたんですね。でもある人に、「力がなさそうだから、ボールも飛ばないよね」と言われた瞬間に火がついて、その日の午後にはゴルフ教室に足を運んでいました。やると決めたらとことんやる性格なので、朝8時から午後5時まで、プロに教わりながら一日中練習していましたね。ちょうど成績も上がってきたころは、ずっと家で絵を描いてきた私がバチンバチン打っていたので、周囲にもびっくりされましたし、何より「こんな世界があるんだ」と自分でも衝撃的でした。そこから絵をやめて、ゴルフに打ち込みました。

そして、YouTubeを始めたのはコロナがきっかけです。外出もできず、ゴルフにも行けなくなった時、愛犬たちの成長記録を撮っていたので、「せっかくだから投稿してみようかな」と始めたんです。

Screenshot

秋山)1つひとつ本気で取り組まれていたのに、また一から新しいことを始める抵抗感はありませんでしたか?

永子さん)結局、新しい世界の方が魅力的だったんです。ゴルフをきっかけに、それまでいた「静」の世界から「動」の世界へ飛び込んだんです。初めて知る世界に触れた時、頭がクラクラするくらい衝撃で。同時に、「こんな自分もいたんだ」って、新しい自分にも出会えた気がしました。

新しいことを始めたら、「これもやらなきゃ」「もっと知りたい」って自然と深く入り込む。本当に忙しいけど、童心を取り戻して夢中になれるんです。そして、やるからには最善を尽くしたいタイプなので、常にその先の景色を見ようという気持ちを大切にしてきました。

仰る通り、どれだけ打ち込んでも、やむを得ず辞めることもあります。でもそれは無駄ではなくて、確実に自分を魅力的にしてくれる“+α”になると思っています。
たとえば絵を描いていた経験があると、美術の話題が出たときにちょっとした会話ができたり、ゴルフを通して出会えた人がいたり。色んな世界を知っているほうが、人生はずっと面白くなるんです。そして、それが人との関わりを生むきっかけにもなる。

人間って、自分に備わっている才能のほんの一部しか使わずに一生を終えるって言うじゃないですか。私は、まだまだ自分の中に眠っているものがあると信じていますし、それをできるだけたくさん引き出したい。今でも、自分の新たな才能に気づく瞬間があるんですよ。最近はその度に、「お母さんありがとう」と母に感謝の気持ちを持つようにしています。

どこで一番花が咲くかなんて、やってみないと分からないからこそ、「次はどんな自分に出会えるんだろう?」という気持ちで、これからもいろんなことに挑戦していきたいと思っています。

世代を超えたAWDとの関係

秋山)永子さんのYouTubeは今も進化を続けていますが、これからも変わらず続けていかれるご予定なんですよね!

永子さん)ワンちゃんたちも私も健康でいる限り、続けたいと思っています。ただ、それ以上に私にとって大切なのは、「もっとメイト」でAge-Well Designer(以下、AWD)の皆さんが常にそばにいてくれることです。

AWDがいてくれるからこそ、私は勇気をもって挑戦し続けられる。実は「もっとメイト」を始めたきっかけも、YouTubeなんです。ちょうど今年で3年目になるのですが、最初から「これはすごくいい」と思っていました。自分が知りたいこと、気になっていることを全て聞けるし、全て教えてくれる。こんなに頼れる存在がいるんだと、本当に感動しました。

日々、助けてもらっている実感は年々増していて、最近はAWDに会えるまでの1週間が本当に長いんです。聞きたいことも、話したいことも山ほどあるんです。

秋山)私も永子さんに話したいことがたくさんあるので、毎週話したいことリストを作成してお伺いしています。(笑)毎週の訪問で一緒に喜んだり、時には悩んだりしながら、永子さんと日常を共有できていることが本当に楽しいです。永子さんご自身はAWDと話すなかで、どんなことを感じていますか?

永子さん)不思議なんですけど、AWDと話す際は全く年齢差を感じないんです。実際には世代も違うし、育ってきた社会的背景や環境も違うはずなのに、気がつけば何でも話せる友達のような存在になっている。

AWDと話すうちに、少しずつ自信がついてきたし、YouTubeに対する感触も変わってきました。若い世代の視点を取り入れることで、自分の世界がどんどん広がっていくのを感じます。以前は、年齢だけを重ねてきてしまったように感じていたのですが今は違います。AWDとの対話を通じて、情報や価値観、視点が広がっていくような感覚があるんです。

スマホの使い方を教えてもらうとか、そういう表面的なことではなくて、相手の言葉の奥にある考え方や文化的背景まで受け取っているような感覚。「そういう考え方もあるんだ」と気づかされる度に、自分がちょっと小さく感じる瞬間もあったりして(笑)。でも、それが嬉しいんです。私は昭和の人間ですけれど、AWDの皆さんとのやりとりを通して、世代間の溝が少しずつ埋まってきているんじゃないかな。だから、年齢差を感じずにいられるのかもしれません。

秋山)そうですね。対話を重ねる中で、お互いにない視点が交換できているからこそ、世代の壁を越えてかけがえのない関係が築けているように私も感じています。

等身大の自分を見つめて

秋山)永子さんが、歳を重ねるうえで大切にしていることを教えてください。

永子さん)歳をとると、気持ちは若いままでも、自然とたくさんのハンディが出てきます。写真を撮ったらシワが増えていたり、髪が薄くなっていたり、何となくやつれたように見えたり…そういう気づきが多くなってくるんですね。もちろん、予防したり修復したりすることも大切ですが、それらのハンディを全て埋めようとするときりがないんです。マイナスを消そうと無理にプラスを重ねていくような生き方は、むしろ不自然で、私はあまり美しくないなと感じています。

それよりも、もっと基本に戻ること。健康を大切にするとか、シンプルに生きるとか。そうやって、等身大の自分を見つめて自分の生き方そのものを整えることが、美しさにつながる気がしています。

例えば、メイクで隠すよりも、肌そのものを大切にしたい。豪華なご飯を食べるよりも、身体が喜ぶものを選ぶ。そうやって基本に立ち返り、無駄なものを削ぎ落していくことで、見えてくる本質があるんですよね。

秋山)基本に立ち返ることが大切なんですね。永子さんは学生時代の頃から、このような価値観をお持ちだったのですか?

永子さん)いえ、学生の頃はお金もなくて、物欲もありませんでした。むしろ、大人になって経済的に少し余裕ができてから、色んなものが欲しくなったんです。絵を描く時も、道具にこだわって、高い画材を集めていた時期もありました。

でも、そういう経験があったからこそ、今の自分の考えにたどり着けたんだと思います。たくさん手に入れたからこそ、本当に大事なものが見えてきたんですよね。

秋山)そのように考えるようになったきっかけは、何だったのですか?

永子さん)コロナです。あの時、世界がひっくり返ったじゃないですか。今まで当たり前にできていたことができなくなり、私の心を支えてくれたのが、愛犬たちの存在だったんです。その時に今までの価値観が180度変わって、一番大事なのは“心の触れ合い”だということに気が付きました。

それからは物欲もなくなって、今は愛する人を大切にすることが生き方の中心に。欲しい物がないからイライラもしないし、満たされているから幸福感も自然に湧いてくる。そうすると、人の目もきにならなくなるんですよ。今までは人の目を気にして萎縮してしまうこともあったのですが、不思議と、誰に何を言われても動じなくなってきました。自分に他者を受け止められる余裕ができたからだと思います。「足るを知る」と言ったりしますが、それは、本当に気持ち1つで叶うんです。

秋山)「足るを知る」生き方を大切にしているからこそ、愛する人との関わりや好きなことに心から打ち込めるんですね。そんな永子さんのこれからの目標を教えていただけますか?

永子さん)まずは、これからもYoutubeで動画を発信し続けていくことです。そしてもう1つは、恵まれない動物たちのために何かできることをしていきたいと思っています。SNSを見ていると、目を背けたくなるような光景が流れてくることもありますよね。自分のワンちゃんたちももちろん大切だけれど、それ以外の動物たちの命も大切にできるように、自分ができる形で行動を起こしたいです。

秋山)最後に、私たち世代に向けてメッセージをお願いいたします!

永子さん)とにかく、たくさんの経験をしてください。経験したことがすべて自分の中に残るとは限らなくて、人生の最後まで持っていけるものなんて、実はごくわずかです。でも、たくさん経験するからこそ、その中から納得できるものを見つけて持っていけるんじゃないかなと思うんです。

砂場で砂をふるいにかけて、最後にキラッと光るものが残るような感覚ですね。
人生もきっとそういうもの。たくさん経験して、たくさんふるいにかけて、最後に何か光るものが残ったら、それはすごく幸せなことだと思います。

秋山)素敵なメッセージをありがとうございます。私も、永子さんのように、いくつになってもまだ見ぬ自分や新しい世界との出会いにワクワクしながら、挑戦を続けていきたいと思います。永子さん、改めまして本日は貴重なお話をありがとうございました。

対話後記

永子さんの「Age-Well」の秘訣は、今あるものに感謝しながらも、新しい自分や世界との出会いにワクワクし続けていることにあると感じました。「足るを知る」生き方を大切にしつつ、「まだ知らない自分の才能に出会いたい」と挑戦し続ける姿は、まさに私にとってのロールモデルです。そして永子さんは、いつも私たち孫世代に本質的な言葉をかけてくださり、そっと背中を押してくれます。足りない部分を埋めるのではなく、等身大の自分に目を向けて、その中にある魅力を引き出してくれるような関わり方に、いつも励まされています。そんな永子さんから日々たくさんの学びと優しさをいただいている私も、自分なりの「Age-Well」を大切にしながら、誰かに還元できる存在でありたいと思います。これからも永子さんの担当として、私自身も「Age-Well」を体現しながら、伴走していきます!

(インタビュー・編集:秋山珠季)